住宅ローンの見直し相談の際、
繰り上げ返済をしたほうが良いの?
借換えをするときに、繰り上げ返済も
したいのですが、と聞かれることがよくあります。

人生で最も大きい負担である住宅ローンの返済を、少しでも軽くするために
行うのが繰り上げ返済です。

一時期、ファイナンシャルプランナー業界で、繰り上げ返済は早いうちに
しましょう、ということを盛んに言っていた時期がありました。

たとえば借入額3000万円、金利2.5%、期間35年の固定金利ローン(元利均等型)の場合、
100万円を返済開始から2年後に期間短縮型で繰り上げ返済したときの
利息軽減効果は約123万円になります。これを返済開始から10年後にすると、
利息軽減効果は、84万円。つまり、早い時期に繰り上げ返済をすると、それだけ
おトクになりますよと。

それは金利が今よりも高い時代の話。世の中のローンの中で一番有利な商品は、住宅ローンですね。
低い金利で借りれるのだから、できるだけ繰り上げ返済はせずに、手元の資金を温存させましょう、
そして、教育費や車の買い替え、に備えておく、等の見解が多数になってきています。

今の、経済環境、これまでの金利の推移を見ていくと近いうちに金利が
どんどん上がっていくという可能性はとても低いのではないかと考えています。
住宅ローンの6割が変動金利型の商品を選んでいることも理解できますね。

最後に金利が上がった
時期はいつだったかといえば、やはりバブルの時期ですので、その後約30年近く
は金利は上がらなかったということになります。
ただ、アベノミクスの政策によって日銀が国債を買い上げてくれているので
歴史的な低金利が続いている状況です。どこかで出口を模索する必要が
あり、その時には金利が上がる可能性は否定できないですね。

私は、それも大事なのですが、住宅ローンの金利以上に、運用することができるのであれば、
繰り上げ返済はする必要がないという考えですね。今1.8%の住宅ローン金利で借りて返済している
のであれば、それ以上の利回りで運用ができればよいということ。そうすると、1.8%でお金を調達して、
高金利の商品で運用できればその差がもうけになります。しっかりと調べていけば、そういう運用商品は
見つかるはずです。FPの業界では、ライフプランニングで将来にわたる資金計画はしっかりと立ててくれるのですが、
資金を運用するという観点から提案・アドバイスをしてくれる方は多くはないように感じます。

とはいっても、資金の運用にはリスクがつきもの。元本が割れの可能性が怖いという方もいらっしゃいます。
住宅ローンはあくまでも借金。借金はいつか返さなくてはいけないものだから、
一円でも多く、一日でも早く返す、という考えも当然ですね。
将来の収支バランスをみて、自分に合った返し方を考えていきましょう。